アナスイの財布をもった彼女」カテゴリ内の記事を表示しています。
アナスイの財布を初めて見たのは、5年前だった。
白い人造大理石とウッドをベースにしたホテルの洗面台に置かれていたその財布は、紫をベースに、アナスイのバタフライがあしらわれ、しっかりと存在感を放っていたのだ。

俺は、やや失礼なマネだと頭の片隅で思いながら、それでもさすがに手にはとらずに、その財布をシゲシゲと見てしまった。
「何みてるん?」
彼女が言う。
「いやぁ、ずいぶん存在感のある財布だなぁ、と思って」
「アナスイのね、ドルチェパープルだよ」
今ならわかる。彼女は、いたくそのアナスイの財布が気...
アナスイの財布について、気のない俺の返事に、彼女は少し気を悪くしたようだ。
「これ、ニューヨークのブランドなんよ。」
「ドルチェパープルは、その中でも、黒とか赤とかに比べたら、高いほうなんよ。」
アナスイの財布について、熱を込めて説明をはじめた。

今ならわかる。
けして潤沢といは言えない給料から、彼女は、無理して買ったんだろう。
アナスイの財布について気のない返事をした俺だが、それが悪かったと思うこともできないくらい、俺も若かったのだ。

俺は、アナスイの財布の話題に興味がもてなかった。

伊...
アナスイの財布・・。思い出すと、胸が痛い。

世の中には、街でベージュのコートをみかけると、指にルビーの指輪を探す男がいる。そして5年の月日が流れ去ったが、アナスイの財布を目に見えるように持ち歩く女性は、まずいない。アナスイに限らず、財布を目に見えるように持ち歩く人間は少数だろう。

アナスイの財布でよかったのかもしれない。アナスイのバックだったら、必ず見えてしまう。
幸いなのか、不幸なのか、俺は、指にルビーの指輪を探すなんてマネは、しないでいられる。

・・・いや、まあ、そもそも彼女の誕生石は...
もう、俺の人生で、アナスイの財布に出会うことなんてないだろうと俺は思っていたのだが、先日、思いもよらず、アナスイの財布に再会したw

アラフォーの彼女は、前の会社で一緒に仕事をした有能な戦友で、1年ぶりに飲もう・・と会ったのだ。
俺のアナスイの財布のイメージは、かなり若い女性が持つもの・・であった。
だが、何かの話から、アナスイの財布になって、「私、アナスイ大好き、財布も使っている」・・と言い出したのだw
「え?wいやぁ・・もっと若い世代が使うもんだと思ってたよ」
「あぁ、もちろん、自分が使うに...